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ダイナミックで透明感のあるボーカル、メロディアスな楽曲、ピアノをメインにしたサウンドの爽やかポップスユニットです。

横浜市動物愛護センター訪問 2011年10月20日(木)

今回はバジルで、神奈川県動物愛護協会の方と、横浜市動物愛護センターを訪問いたしました。ここは、今年の5月にオープンしたばかりの新しい施設で、横浜市が管轄しております。元々は、このような動物に関する横浜市の施設としては、本牧にあった畜犬センターというところでしたが、古い施設で老築化も進んでおり、お世辞にも充実した施設とは言い難かったのですが、おそらくそういう事情もあってか、今年新施設としてオープンしました。
我々は車で行きましたが、交通手段はと言いますと、横浜市営地下鉄片倉町駅、横浜線鴨居駅、横浜駅、いずれもバスが出てますが、バス停から徒歩10分ちょっとかかるという場所です。山の傾斜に建てた場所で、道路も一緒に作った場所なので、バス停からはかなりの上り坂。できれば、車での来場の方がお勧めです。もともと自然の豊かな場所だったそうです。
受付を入ると、所長さんに出迎えていただき、施設の説明やら、横浜市の動物に関する取り組みなど、いろいろお話いただきました。施設の役割としては、動物への正しい接し方、しつけの方法、命の大切さを広めていくような啓発活動、譲渡活動、動物との交流の場、収容動物の保護管理などです。やはり最初の感想としては、広くてきれい。今まで、いくつか訪問させていただいた、施設と比較しても段違いで、収容されている動物にとっては、良い環境のように思えました。横浜市もかなりの費用をかけたという事です。お話を聞いているうちに、まだオープンしたばかりという事で、課題や問題がまだまだありそうだと感じました。収容能力としては、犬70匹、猫120匹で、現在は犬はほとんど満杯、猫は100匹弱なので、少し余裕があります。収容の期限は特になくて、今までのように、時間が経って飼い主が出ない場合の殺処分というのは、ありません。殺処分する場合は、やむを得ないケースで、伝染病に感染してしまった場合、傷病で、生かしておくのが逆に辛い場合などに限っており、麻酔薬での安楽死をさせているという事なので、炭酸ガスでの殺処分機は置いてません。
 今までのような殺処分をしないというのは、素直に良い事ですが、オープン当初、引き取りの数が増える春という事もあり、動物の数に対して職員の数が絶対的に不足をしているために、動物の管理が行き届かないというジレンマがあったそうです。そのために、傷病など、いろんな原因で施設内で死亡してしまう犬猫がかなりの数いたという事です。現在は、少し落ち着いたようですが、まだ職員の数が不足しているという問題に関しては、解決していないようです。犬猫の引き取りは、基本的には、自活できない動物に限っており、野良猫、犬については、本当に親がいないのか、観察して見極める必要があるそうです。現状、野良猫、犬の引き取りをしてくれる施設が公的な場所としてはないようで、そこは難しいところです。職員の中では、獣医師の免許を持っている人が10人ちょっといるそうですが、臨床を経験していないという理由で、全員が不妊去勢の手術をできるわけではないそうです。そういう事情もあり、横浜市は、不妊去勢の手術を、横浜市から横浜市内の一般の獣医師に依託をして実施していますが、助成金が出ているとは言え無料ではないので、そこをなんとか無料にできないかという話が出ました。やはり手術の数を、とにかく増やす事が、一番の解決に繋がるのは、間違いないからです。あと、職員の数が足りないという事情から、今後はボランティアさんも受け入れて、運営をしていくそうですが、ボランティアさんの扱いというのも、なかなか苦労があるようです。というのは、やはり人間集まると、みなさんそれぞれ考え方の違いなどあり、センターの方針に従ってくれない、ボランティア同士での確執なんかもできてしまって、円滑な運営が妨げられる事が少なくないそうです。それも解決すべき大きな問題ではあります。今まで、動物愛護の市の中心は、関内駅前にある横浜市役所が事務的な場所、畜犬センターが現場という形だったのですが、今後は、この動物愛護センターが、事務的な場所と現場の両方を兼ねる、いわば、横浜市の動物愛護の行政については、ここはすべての中心になったそうです。

yokohama_centre_1.jpgここが、センター入り口
yokohama_centre_2.jpg入り口を入ってすぐのロビー。お二人が入ろうろしているのが受付です。
yokohama_centre_4.jpgロビーから撮影した風景。だいたいの外観がつかめます。

施設を案内していただきました。施設は3階建てで、受付は3階にあります。建物は、実際の動物が収容されている、動物ふれあい棟と、一般の人が自由に利用できる部屋がある交流棟とあります。まずロビーのすぐ横にあるのは、譲渡室。これは、職員と譲渡希望の人とが面談する場所です。その奥にあるのが健康チェック室ですが、あまり使われてないそうです。すぐ横に、市民活動室という部屋があり、一見、動物と関係なさそうに思えますが、後から紹介される、視聴覚室や研修室なども含めて、動物愛護とは全く関係な一般の人でも、電話1本で無料で使用できるそうです。どうしても交通の便が悪いというところと、まだオープンして間もないので、存在を広く知らせようという理由で、当面は、このような形で運営していくそうです。

yokohama_centre_5.jpg市民活動室。 図書などが置いてありました。
yokohama_centre_6.jpg 譲渡室と健康チェック室
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階段を一つ降りて2階へ行きました。ここは犬が収容されている場所で、立ち入り禁止の場所は、具体的には、手術室や処置室、観察室など、実際に犬猫に対して、何らかの手を加える場所のようです。建前上は、衛生上の問題という事ですが、施設がオープンしてから、一般の方の見学もそれなりにあったそうで、その中で、いろいろあったのかなというのは察する事ができます。一部屋一匹の犬が収容されており、他の施設と比べると非常に衛生面と広さでは、充実しているように思いますが、それでも、ここだけでずっとというと、運動不足になるので、定期的にゲージの外に出して、運動はさせているそうです。各部屋の前のスペースが数匹共用のスペースなので、一匹ずつ出して運動させる事もしているそうです。けっこうしっかりしたゲージのわりには、わりと臭いがしたので、中に入ったら、もっとすごいかもしれません。

yokohama_centre_8.jpg犬が収容されている部屋。先に見えるのは、スタッフ以外は立ち入り禁止の貼り紙。でも、外から見る事ができました。
yokohama_centre_9.jpgグルーミング室。ここは人間で言えばお風呂といったところでしょうか。シャンプーとかして動物をきれいにする部屋です
yokohama_centre_10.jpg外から見た、犬の収容施設。
yokohama_centre_11.jpgワンちゃん達は、こんな感じで収容されてます。

施設の建物とは、別の棟になりますが、芝生のまん中にあるのが、猫の家です。中は、猫が好きな木登りできるような遊び道具が置いてありました。階段で、さらに一つ下がると、この階は、猫の収容施設です。猫の収容は、まず部屋があって、その部屋の中に、篭があり、その篭の中に一匹ずつ収容されてます。篭の中にはトイレ付きですが、市販の猫用トレイより小型の感があり、あれって特注品かなあというような話も、一緒に見て回った人の中では出てまました。他は、新聞紙を使っている場合が多い、下に敷くものですが、どうも専門のもの?を使っているらしい。でも洗濯やあと犬も含めて、食事の世話や健康管理とか大変そうです。頭数が多いと、餌をやるだけで、丸一日かかってしまいそうです。

yokohama_centre_12.jpg猫の家 現在は、まだ猫が収容されてませんが、先行きは、ここにも猫を収容していくそうです。
yokohama_centre_13.jpg猫の収容施設です。
yokohama_centre_14.jpg猫の収容部屋です。 中は、こんな感じ。個室で、トイレ付き
yokohama_centre_15.jpg隣の部屋は、お休み中という事で、カーテン閉めて、静かにしてます。猫も静かな環境が必要なのです。

再び建物の中に入ると、交流棟にある、飼育体験学習室、視聴覚兼研修室という部屋があります。県内の保護施設を見ても、スペースや衛生的な問題を抱えているところは多いと思うので、こういう場所が自由に使用できて、どんどん活用できると、動物愛護の啓発活動にとても役立つのではと思います。視聴覚室の方は、音楽もできるとかで、ちょっと興味があります。ちなみに、前述のように、動物とは全く関係ない目的でも使用できるそうです。

yokohama_centre_16.jpg飼育体験学習室 人間と動物がふれあえる場所という事で、飼育方法の指導などするようです。
yokohama_centre_18.jpg 視聴覚兼研修室


yokohama_centre_20.jpgロビーに飾られている写真。 9月23日の動物愛護フェスタの様子。
yokohama_centre_19.jpg譲渡された犬猫の写真
yokohama_centre_21.jpg地元、菅田の生徒の作品。”動物を捨てないで”とあります。まさにその通りです。

最後、ロビーに戻って見学は終了。ロビーには、地元の学校の生徒さんの絵の作品やら、動物愛護フェスタや、譲渡された犬猫の写真などが掲載されてました。”動物を捨てないで”という絵に込められた思いは、大人になっても大切にしてもらいたいです。また、イベントなども催されたようなので、いつか機会があれば、参加してみたいと思います。全体の感想としては、施設としては、充実したものが出来て、それは喜ばしい事ですが、あとはどのように運営していくかが、大きな課題です。スペース的には、犬、猫は、もっと多くの数、収容できるのではと思います。しかし、現状の頭数でも職員の数が足りないので、職員をもっと増やしていくべきだし、また手術できるスタッフの数も少ないので、スタッフの育成も必要、あと、ボランティアさんの力も使っていく事にはなりますが、その使い方など、このような施設をもっと市内に大きく広めていくような事も必要でしょう。建設費に30数億かけたという事で、しかも道路がないところに作って、10 数億が道路の費用だという話も聞いてます。これだけ費用をかけて作った以上は、横浜市は、ここを充実させて運用していくのは、必須でありここがうまく稼動してくれないと、困ってしまう、というのが率直な感想です。